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少額短期保険登録への道

どこの少額短期保険会社の経営幹部の方と話をしても、必ず盛り上がる話題がある。それは、少短登録にあたり、金融庁や財務局との折衝において自分たちがいかに苦労したかという話題である。

そしてその内容は、「いかに苦労したか」というより「いかに苦労させられたか」という内容である場合がほとんどだ。苦労させられた相手は、言うまでもなく金融庁や財務局の担当官である。

苦労の具体的な内容は千差万別であるにしても、多くの場合、書類をなかなか受け取ってもらえなかったとか、訳のわからないことを言われて対応に困ったとか、タイムリミットとの関係で板挟みにあったとか、そういう苦労話である。保険業法が改正された直後などは、業法についての理解不足を指摘され担当官の前で法律の条文を朗読させられたとか、雪の降る夜道を帰宅の途中に廃業勧奨の電話が入ったなどというのもある。

少短についてはその監督権限が、保険行政の経験に乏しい地方財務局に移ったことで、事業者も素人、監督官も素人という構図のもとで多くの悲喜劇が繰り広げられたようである。H21.6末時点ですでに65社が少短業者として登録を完了しているので、最近は監督官庁の状況もかなり変わってきたと思われるが、頻繁に人事異動がある役所のことなので担当官が素人という状況が完全に解消される日は、まだかなり先のことと考えた方がいいのかも知れない。

そうした状況にあって、少短事業者の方やこれから少短登録を目指す方に向けて、一つだけアドバイスしたいことがある。これは、アクチュアリーとか保険計理人としてというよりも、監督官庁との折衝経験者としてのアドバイスである。それは、監督官庁というところは、理屈で勝負できなければ決して相手にしてもらえないところだという事実を、正面から受け入れて欲しいということである。意気込みや感覚的な話はあってもよいが、最後は理屈だけが勝負になる。

少短の経営者には、事業経験は長いとしても監督官庁というところと付き合った経験がない人が多い。監督という概念を実感していない場合も少なくない。だから、基礎書類や会社の規定などの文言、あるいは募集資料などに対して、監督官庁から事細かく指摘を受けることに違和感を覚えるのも理解できるのである。

しかし、それこそが監督なのである。監督の理念について、高尚な定義は別途あるにせよ、保険業法に書いてある通りにやっているか、それをチェックするのが彼らの仕事なのだ。英語では監督のことをregulationと呼ぶので、我々もはじめから規制だと理解した方がスムーズに納得が行くのである。監督についてその点を理解すれば、折衝のポイントが理屈の勝負にならざるを得ないということも理解していただけるだろう。保険業法や金融庁の監督指針に反することをいくら主張しても相手にされない。早晩、出入り禁止同然の扱いを受けるのがオチだろう。事業者側に理屈での交渉に対応できる人材がいないなら、金融業界でのパスポートはもらえない。諦めるしか、ないのである。

それを前提とした上で、監督官庁と勝負をすべきポイントは、法律に書いてないか、あるいは書いてあっても細部が明確でなく、複数の解釈が可能な内容に限られるということを理解していただきたい。そして、そういうテーマについてなら、議論に応じてくれるのが金融行政の監督官庁である。批判はあるにせよ、官僚組織の一端を担う人材の資質は、信頼に足るものであると期待したい。この意味で、理屈上五分五分の勝負なら、諦めるには及ばない。情熱によって、十分突破できると考えていいと思うのである。

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